山本昌の眼にうつる「二刀流・大谷翔平」。ポイントは○○のあと
二刀流として、今シーズン確かな数字を残した大谷翔平を、入団時「そんなに甘くない」と言っていた山本昌はどう見たか。
■「そんなに甘くない」と思っていたけれど……
彼が「二刀流」としてプロに入った当初、私の本音としては「プロはそこまで甘くはない。投手に専念するべきだ」と思っていました。当然、多くのプロ野球関係者の方たちもそう感じていたと思いますが、大谷選手は常識にとらわれずに「二刀流」を確立しました。それは、本人の努力はもちろん、彼を指名した日本ハム、二刀流として育て上げた栗山英樹監督の手腕もあってこその成果です。
ここまできたら、できるところまで二刀流を続けてほしい。ですが、ひとつ気がかりなのがけがです。
今は若さ、そしてトレーニングの効果もあり、大きな故障なく二刀流としてプレーできていますが、今後、プロとして試合に出続ける以上、必ずけがに直面する時がやってきます。肩やひじ、下半身。どこを故障するかはわかりませんが、例えば足をけがしてしまいピッチングが困難な状況としましょう。そこで「満足には走れないけど、今までのようにDHで」と試合に出続けるか? それとも、将来的な展望を考え「投手として投げられるまでは治療に専念しよう」と判断するのか? そういった状況下に置かれたとき、大谷選手はどちらを優先するか決断しなければなりません。